宮城県感染症発生動向調査情報(第 5 週)

宮城県【 平成15 年 2 月 5 日 】発行 情報収集:宮城県保健環境センター
― 2003.1.27 〜 2.2 患者発生数(定点医療機関) ―
(【傾向の凡例】◎:今後の情報に十分注意 ○:今後の情報に留意 レ:減少傾向)

疾 病

保健所

仙台市

患者数

全地区

患者数

傾向

コメント

仙南

塩釜

大崎

栗原

登米

石巻

気仙沼

インフルエンザ

135

328

114

45

137

270

229

1094

2352

全数報告疾病 1類・2類・3類感染症:報告なし。
4類感染症:アメーバ赤痢1件(仙台市内。男)今年初。
−宮城県感染症発生動向調査情報解析部会−
[インフルエンザ]気仙沼地区は先週から警報発令。また、注意報は栗原地区を除く他地区に発令。インフルエンザ定点報告数の推移。0.39(1週)->24.25(今週)。今後の動向に十二分に注意。《全国の動き》4週で、47都道府県全てで注意報、警報発令基準を超えた。《臨床》小児のインフルエンザ患者に解熱剤としてアスピリン等のサリチル酸製剤を投与すると、稀に脳浮腫・脂肪肝を主徴とする予後不良のライ症候群を起こすことがある。アスピリンの長期投与を受けている小児では、インフエンザの予防が大切。一方近年インフルエンザの流行期に、幼児を中心とした小児において、急激に悪化する脳炎・脳症などの重症神経系合併症例が増加することが明らかになり問題化。厚生労働省「インフルエンザ脳炎・脳症の臨床疫学的研究班」の調査では、毎年50〜200人のインフルエンザ脳炎・脳症患者が報告。その約10〜30%が死亡。一部の非ステロイド系消炎鎮痛剤の使用との関連が疑われている。インフルエンザの治療には使わないよう注意が求められている。(IDWR2001年第44週)
[感染性胃腸炎]先週(17.05)に比べ減少。仙南、登米、気仙沼地区が警報発令継続基準(定点報告数12以上)を超えている。今週栗原地区が警報発令基準(定点報告数20以上)を超えた。今後の動向に注意。
〈病原体情報〉 〜宮城県保健環境センター検査〜
・2週の塩釜地区の急性上気道炎患者からRSウイルス1件、急性気管支炎患者からアデノウイルス2型1件検出。
・3週の塩釜地区の感染性胃腸炎患者からロタウイルス3件検出。
・3週及び4週の登米地区のインフルエンザ患者からインフルエンザウイルスAH3(香港)型4件、B型2件検出。
・4週の塩釜地区のかぜ様患者から、インフルエンザウイルスAH3(香港)型8件検出。
〜国立仙台病院ウイルスセンター検査〜
・インフルエンザウイルス67件検出。うちAH3(香港)型1件、未解析66件検出。
・アデノウイルス8件検出。

咽頭結膜熱

 

 

 

 

 

 

 

2

2

 

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

 

19

3

2

21

2

1

37

85

感染性胃腸炎

65

100

40

61

146

82

41

326

861

水痘

6

12

28

5

3

10

14

29

107

手足口病

 

 

3

 

11

 

 

2

16

 

伝染性紅斑

 

2

 

 

3

7

4

3

19

突発性発疹

5

2

6

1

3

8

2

24

51

百日咳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風疹

 

 

 

 

 

 

 

1

1

 

ヘルパンギーナ

 

 

 

 

 

1

 

2

3

 

麻疹

 

 

 

 

 

 

2

 

2

 

流行性耳下腺炎

7

1

2

6

21

2

1

26

66

急性出血性結膜炎

 

 

 

 

 

 

 

1

1

 

流行性角結膜炎

 

1

 

 

 

 

 

2

3

 

急性脳炎(日本脳炎を除く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細菌性髄膜炎(真菌性を含む)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無菌性髄膜炎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイコプラズマ肺炎

5

 

 

 

 

3

1

 

9

 

クラミジア肺炎(オウム病除く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成人麻疹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川崎病

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不明の発疹性疾患

1

 

 

 

 

 

 

6

7

 

[ウイルス分離状況] 1.27 〜 1.31 国立仙台病院ウイルスセンター提供

Flu

Para

RS

Mumps

Measles

Adeno

Entero

Rhino

HSV

CMV

67

 

5

 

 

8

 

 

1

1

2月に入ってインフルエンザの患者数が急増しています。A香港型とB型の混合流行であることが特徴です。(コメント:永井小児科医院 永井幸夫)