宮城県感染症発生動向調査情報(第 4 週)

宮城県【 平成15 年 1 月 30 日 】発行 情報収集:宮城県保健環境センター
― 2003.1.20 〜 1.26 患者発生数(定点医療機関) ―
(【傾向の凡例】◎:今後の情報に十分注意 ○:今後の情報に留意 レ:減少傾向)

疾 病

保健所

仙台市

患者数

全地区

患者数

傾向

コメント

仙南

塩釜

大崎

栗原

登米

石巻

気仙沼

インフルエンザ

73

206

100

21

99

104

213

898

1714

全数報告疾病 1類・2類・3類・4類感染症:報告なし。
−宮城県感染症発生動向調査情報解析部会−
[インフルエンザ]仙南、栗原地区を除く全地区で注意報発令。県全体でも先週(7.43)に比べ大幅に増加。今後の動向に十二分に注意。《全国の動き》昨年は、3週で警報・注意報基準を超えた都道府県はなかった。しかし、本年は3週の段階で、警報基準(定点報告数30以上)、注意報基準(定点報告数10以上)を超えている県は、43都道府県に及び、うち警報発令基準を超えているのが、沖縄県(82.19)、宮崎県(69.27)、鹿児島県(64.64)等24県に及ぶ。《臨床症状》A型またはB型インフルエンザウイルスの感染を受けてから1〜3日間ほどの潜伏期間の後に、発熱(通常38度以上の高熱)・頭痛・全身の倦怠感・関節痛などが突然現れ、咳・鼻汁などの上気道炎症状がこれに続き、約1週間の経過で軽快するのが典型的なインフルエンザ。(1DWR2001年第44週)《一般的予防策》1.十分な休養(体力をつけるための睡眠、休養、バランスのとれた食事)2.手洗いとうがいの励行(外出後、食事の前など石けんと流水で手洗い、うがい)3.室内の乾燥に注意4.人混みを避ける(特に高齢者や慢性疾患の方)
[感染性胃腸炎]先週(14.03)に比べ増加。登米地区、気仙沼地区が警報発令基準継続(定点報告数12以上)に加えて仙南地区が警報発令基準(定点報告数20以上)を超えた。今後の動向に特に注意。《一般的予防策》食中毒の一般的な予防法と同じ食品の加熱の徹底。また、流行時の手洗いの励行、患者との濃厚な接触の回避。さらに排出物や汚れ物の処理に十分注意。院内、家庭内、集団内での二次感染の防止策が肝要。(IDWR2001年第39週)
《病原体情報》 〜宮城県保健環境センター検査〜
・2週から4週の塩釜地区、登米地区、気仙沼地区のインフルエンザ患者からあわせてインフルエンザウイルス18件検出。いづれもAH3(香港)型。
・3週の塩釜地区の急性咽頭炎患者からアデノウイルス2型1件、急性胃腸炎患者からロタウイスル3件検出。
 〜国立仙台病院ウイルスセンター検査〜
・インフルエンザウイルス85件検出。うちAH3(香港)型29件、未解析56件検出。 ・アデノウイルス5件検出。

咽頭結膜熱

 

 

 

1

1

 

 

3

5

 

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

3

15

10

8

15

5

1

24

81

感染性胃腸炎

120

133

43

45

129

75

79

382

1006

水痘

10

23

24

3

12

19

11

43

145

手足口病

 

 

4

 

 

 

 

3

7

 

伝染性紅斑

2

1

 

 

3

9

10

2

27

突発性発疹

3

4

3

 

3

5

3

28

49

百日咳

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風疹

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘルパンギーナ

 

 

1

 

 

2

 

 

3

 

麻疹

 

 

 

 

 

 

2

 

2

 

流行性耳下腺炎

5

4

1

6

13

2

1

24

56

急性出血性結膜炎

 

 

 

 

 

 

 

1

1

 

流行性角結膜炎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急性脳炎(日本脳炎を除く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

細菌性髄膜炎(真菌性を含む)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

無菌性髄膜炎

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイコプラズマ肺炎

8

 

 

 

 

3

 

1

12

 

クラミジア肺炎(オウム病除く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

成人麻疹

 

 

 

 

 

 

 

4

4

 

川崎病

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不明の発疹性疾患

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ウイルス分離状況] 1.20 〜 1.24 国立仙台病院ウイルスセンター提供

Flu

Para

RS

Mumps

Measles

Adeno

Entero

Rhino

HSV

CMV

85

 

4

 

 

5

 

 

3

3

インフルエンザA香港型の流行が大人から小・中学生そして乳幼児へと拡がっています。なお、1月下旬から、B型も散発的に流行がみられます。(コメント:永井小児科医院 永井幸夫)